ホールボディーカウンター(WBC)検査には、「γ線各種しか検出できなかったり、検査する担当のスキルによっては大きな誤差が生じたり、場合によっては、ありえない核種が検出されたりする」という、いくつかの問題点があることが分ったのですが、放射能の尿検査については、どうでしょうか。「できればWBC検査を受けたいけれど、被災者優先で一般はなかなか難しいし、費用面の負担が…」というお母さん方が、お子さんに尿検査を受けさせるケースが増えています。
今日現在、放射性物質の尿検査には法的な規制がないので、言ってみれば放置状態。
検査する会社側と、被験者側のユーザーとは信頼関係だけで成り立っているのです。
今後、こうした「内部被曝ニュービジネス」が、いつくか生まれてくると思いますが、一般には殆ど知識がないために、各社の検査サービスの「性能評価」ができません。
これでは、正しい競争の原理がまったく働かず、「元気なった!」という体験談だけで、ついうっかり健康食品を買ってしまうのと何ら変わりがありません。
私たちも、独自に評価を行うべき段階に入ってきました。
9月10日にアップされた記事には、「RHC JAPANという会社の内部被曝センターで、一般を対象に、尿検査で放射性物質の有無を測定するサービスを開始」と書かれてあります。
このRHC JAPANという会社を少し、 調べてみましょう。
あちこちで、ネットを通じたパブを展開しています。
この記事には、
「申し込みから2週間で検査容器を発送するので、20婪稜後、容器ごと返送してもらい、2週間で結果が出ます。ヨウ素131、セシウム134、137が測定可能です」(RHCジャパン担当者)
●RHCジャパンによる「内部被曝検査センター」
検査費用は2万4000円」
と、このように紹介記事が書かれています。
さて、ここに、吉本興業のおしどりのマコさんの貴重なレポートがあります。
マコさんは、医学部出身の芸人。
そのジャーナリスティックな感性には、本職も舌を巻くほど。
飯館村の人々の心を掴んで、マスコミでは決して知ることのできない情報を発信しています。
今では、マコさんの提案によって政治家が動くようにさえなっています。
数々の有益なレポートの中に、放射性物質の尿検査についてのレポートがあります。
以下、RHC JAPANについて、マコさんが周辺取材と電話取材を行った結果報告があるので、その中から、ポイント部分だけ抜粋してみましょう。
放射性物質の尿検査は、やはり信頼の置ける機関で行うべき
第17回 みんなでメディアにならない? 8.26「負げねど飯舘!」記者会見はニューメディア絶賛募集中な件からRHC JAPANについて書かれた部分を抜き出したもの
この記事は、8月24日にアップされたものです。
RHC JAPANという会社についてです。
8月10日に「内部被曝検査センター」というHPを立ち上げた会社なのです。
HPを見ると郵送でのやり取りで、尿から放射性物質を検出する検査をするということ。
トップページに、
「RHC JAPANは、南相馬市立総合病院を技術支援して、南相馬市の児童を対象に無料で尿の放射能検査を行う予定です。」
という文章が入っていました。ほほう、どんな感じの会社なのかしら?
今の時期に行なう内部被曝の検査として、現時点での食物による経口被曝をチェックするための検査なら、子供たちにとってとても素晴らしい検査でしょう。
けど、今の時期に検査をして「3月11日の発災以降の全ての内部被曝は問題ない」という結果を返すなら、それは間違っているので、どういう主旨の検査をし てらっしゃるのかしら? と疑問に思ったらすぐ電話!
ところが! HPにある電話番号に掛けても、自動音声で「直接の電話のやり取りは受け付けていない、HP上のお問い合わせフォームでよろしく」とのことなのね! えーどうして?
どこかお話しできる電話番号無いかなー、と探していたら、RHC USAというワクチン、抗がん剤など未承認医薬品の個人輸入などをしている会社を見つけましたよ。
ここは関連会社かな?
お電話して、RHC JAPAN について、HP上のお問い合わせ番号はつながらないので、取材できる電話番号を教えてください、と言うと
「わかりました、少々お待ちください」と言われ、しばらく保留音を楽しんでいたら、「RHC USAとRHC JAPANは全く関係がありませんので、わかりません」と言われました。
――え? こんなにお名前似ていますが関連会社でもないんですか?
「はい、全くの別の会社です」
なんかわけがわからないな…? と思いながら南相馬市立総合病院へも電話してみました。HP上に(南相馬市立総合病院の)名前が挙がってましたからね。総務課につないで頂いて、
――RHC JAPANという会社についてお聞きしたいのですが。
「それ何ですか?」
――(!?)内部被曝検査センターというHPを本日立ち上げた会社なのですが、ご存知ないですか?
「ええと、そうですねー、名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。」
――HP上に南相馬市立総合病院を支援する、とはっきり書いてあるのですが?
「それはおかしいですね。そんなことは決まっておりません。」
――では南相馬市立総合病院と全くの無関係なのでしょうか?
「いや、あちこちにいろいろ支援して頂いているので、そういうつながりはあると思います。名前は聞いたことがあるので」
――ではこれから提携、支援などの形があるということですか?
「そうなるかもしれません」
――ではHP上に載っている、南相馬市立総合病院を支 援して、南相馬市の児童の尿を全員無料で検査する、という形になるということでしょうか?
「それはおかしいです。どのような形になるかは、一切決まっていないからです。まだ詳細は決まっていないし、話し合ってもないですから」
――では、南相馬市立病院とRHC JAPANはどのようなつながりなのでしょうか? どういう形での紹介、つながりですか? 県や国などですか? 直接の申し込みですか? どなたかの紹介ですか?
「当病院のOというドクターが個人的に窓口になっています。なので詳細はOにしかわかりません。ドクター同士のつながりによる紹介のようです」