南の島の薬剤師 ScrapBook
人工関節の喫煙リスク
整形外科医も患者に「禁煙!」主張
2月に開かれた米国整形外科学会(AAOS)年次学術集会で
人工関節置換術患者の喫煙が予後を左右するという2つの新たな研究結果が発表された。
ニコチンは術後の骨および創部の治癒能力を障害するとされていることから
患者が禁煙しないなら整形外科医が手術を拒否するくらいの対応が至適治療に寄与する
とした米南フロリダ大学整形外科准教授のGlenn R. Rechine氏の談話が
4月12日のAAOSのプレスリリースで紹介された。
喫煙者で人工膝関節置換術 再施行率が10倍
同学術集会で明らかになったのは
人工関節置換術患者の喫煙例における予後不良例であり
1つは禁煙例に比べて人工膝関節置換術の再施行リスクが10倍高いというもの
(喫煙者10.0% vs. 非喫煙者1.0%)。
静脈血栓塞栓症,貧血,急性腎不全などの術後合併症発生率についても
ほぼ同様の傾向が示された(喫煙者21.0% vs. 非喫煙者12.0%)。
もう1つは,人工股関節置換術例での成績であり
再置換術例(374例)を含む533例に用いられた超小型軽量の金属臼蓋に
認められた障害は,非喫煙例の3.4%に対し喫煙例では9.1%という結果だった。
段階的な禁煙誘導の方策も
このように,喫煙による影響は
術後疼痛だけでなく予後にも影響するようだが
ではどうしたら術前患者を禁煙させることができるのか。
禁煙を成功させるには段階的に誘導していくやり方が望ましいとするのは
米メイヨークリニックニコチン依存症センター所長のRichard D. Hurt氏だ。
同氏によると,禁煙を成功させるポイントは
まず喫煙が患者にとっては重大な問題であることを自覚させることだという。
それには,患者が診察に入ってくるまでのあらゆる段階で
「喫煙しているか」との質問を繰り返すことが効果的である。
次に行うのは,患者に喫煙をやめるよう医師が助言することだが
「禁煙を考えるべき」とするのではなく
「禁煙する必要がある」と言い切ることが大事であり
胸部の痛みのMVP
禁煙の意志が確認できれば最終的に禁煙の手助けをしていくという。
ソロス
ユーロ危機は深刻化、EU崩壊につながる可能性も=ソロス氏
米著名投資家のジョージ・ソロス氏は16日
ユーロ危機は深刻化しつつあり、当局者の間違った対応により
欧州連合(EU)は崩壊に向かいかねないと警告した。
ソロス氏は
「ユーロ危機は深刻化しており、まだ終わっていない。間違った方向に向かっている」
と述べた。また
「ユーロはEUの政治統合を弱体化させており
このまま続けばEU崩壊の可能性もある。問題の本質が誤解されているからだ」
と警告した。
ソロス氏は、ユーロ圏当局者は不均衡について
市場そのもので生み出されることを理解せず、公的部門が原因と考えていると指摘。
ユーロ危機は米国での銀行システムの崩壊から始まり、欧州各国間の競争力の違いから
深刻化したにもかかわらず、財政危機として対応がとられていることを批判した。
さらに、危機への対応失敗により人々の間には深刻な緊張が生じ
これが反欧州の姿勢につながり、各国間で強まっていることに危機感を示した。
EUの財政協定については、需要が不十分な時期に政府に財政健全化と
債務削減を強いるもので、間違った方向に向かっていると批判した。
甲状腺機能低下による高コレステロール血症
脂質異常症に脂質低下剤が処方されなかった理由
より一部改変
◆Question
42歳 女性
採血の結果、甲状腺のホルモンが少なかったそうで、ホルモン剤を出されました。
もともとコレステロールが高いということで病院にかかったのですが
肝心のコレステロールの薬は出ていないようです。先生の出し忘れでしょうか。
うつ病の動機
また、たばこをやめるように言われたのですが、なぜですか。
処方せん
チラーヂンS錠25 1錠
分1 朝食後 14日分
◆服薬指導
コレステロールが高くなった原因は、甲状腺のホルモンが不足していることのようです。
チラーヂンで甲状腺ホルモンを補ってあげると、コレステロールも正常値に戻ります。
たばこですが、煙に含まれるチオシアネートという化学物質が
甲状腺の機能を悪化させるといわれています。
◆解説
甲状腺機能低下症は、体の代謝機能を低下させ、寒気、むくみ、体重増加、徐脈、皮膚の乾燥、便秘、無気力、記憶力低下など、様々な症状を引き起こす。これらの症状は徐々に進行するため、甲状腺機能低下が見逃されるケースも多い。無気力が強いとうつ病、高齢者で記憶力低下が目立つと認知症と誤診されることもある。
甲状腺機能低下症は、高コレステロール血症を来しやすいことが古くから知られている。これは、甲状腺ホルモンが、主としてリポ蛋白代謝の中心臓器である肝臓に作用し、脂質代謝を調節しているためと考えられている。甲状腺ホルモンの不足により、LDL受容体の活性が低下し、LDLコレステロールや総コレステロールが上昇するため、約90%の患者が高コレステロール血症を合併する。
甲状腺機能低下症による二次性高コレステロール血症は、高コレステロール血症全体の12〜15%を占めるが、しばしば原疾患である甲状腺機能低下症に気づかれないまま、スタチンなどの脂質低下剤が漫然と投与されることがある。この場合は原疾患の治療、つまり甲状腺ホルモンの補充をしない限り、血清コレステロール値は正常化しない。しかも、スタチンは、甲状腺機能低下症に用いると横紋筋融解症が現れやすいとして、添付文書上慎重投与となっている。
typoid発熱と動物
一方、喫煙も甲状腺機能に悪影響を与える。たばこの煙の成分の一つであるチオシアネートは、抗甲状腺作用を持っており、甲状腺でのヨードの取り込みと甲状腺ホルモンの合成を抑制する。また、甲状腺機能低下により様々な化学物質や薬剤の代謝機能が低下すると、チオシアネートの影響をより受けやすくなると考えられている。
橋本病の女性患者387人を対象に行われた調査では、喫煙患者の76%が甲状腺機能低下症を合併していたのに対し、非喫煙患者では35%にとどまっていた。血清チオシアネート値は、甲状腺機能低下症を合併した喫煙患者で最も高かった。また、原発性甲状腺機能低下症において、喫煙者は非喫煙者に比べ、コレステロール値などが高いという報告もある。
バージャー病
血管の病気 バージャー病:6 禁煙が基本、家族も
バージャー病は、手足に血液を届ける中くらいの太さの血管が何らかの原因で
炎症を起こし、血栓ができたり壁が厚くなったりして塞がり血液の流れが悪くなる。
国が指定する難病で、閉塞性血栓血管炎ともいう。
国内の患者数は7千人余り。
9割が男性で主に20〜40代で発症する。大半が喫煙者だ。
手足の冷たさや足の裏のしびれなどが初期の症状で
悪化すると潰瘍や壊死が起こり、激しく痛む。
血流が良くならないと、手足や指を切断しなければならないこともある。
治療の基本はあくまで「禁煙」だ。
東京医科歯科大の井上芳徳講師(血管外科)は
「軽症なら、禁煙と血行をよくする適度な運動
保温と手足を清潔に保つケアで、快方に向かう人が多い」と話す。
欧米の報告では、禁煙した患者の9割以上は、手足や指を切断せずにすんだ。
一方、喫煙を続けた患者の4割が何らかの切断を経験。
日本の調査でも、喫煙を続けた人の19%が、手足の切断に至っていた。
喫煙は、バージャー病を悪化させるだけでなく、血管にさまざまな悪影響を及ぼす。
たばこの煙を吸うと、血管の内側表面にある細胞が傷つき、血栓や動脈硬化が起きやすい。
煙に含まれる一酸化炭素が血液中に入ると
酸素を運ぶヘモグロビンとくっつき、血液が酸素不足になる。
ニコチンには一時的に血管を収縮させる作用もあり、血圧や心拍数が上がる。
日本循環器学会などの合同研究班の禁煙指針によると
喫煙は脳卒中や、心筋梗塞など虚血性心疾患、大動脈瘤
末梢血管の病気などのリスクをいずれも高める。
研究班長の室原豊明・名古屋大教授(循環器内科)は
「副流煙はフィルターを通さずに煙を直接吸うことになり、もっと悪い。
家族ぐるみの禁煙が大切」と話す。
JT涌井会長が退任
JTから財務省色消える、涌井会長が退任へ
JTの涌井洋治会長(70)が退任する方向で調整に入った。
木村宏社長(58)が後任の会長になる見通しだ。
涌井会長は財務省(旧大蔵省)出身で
会長、社長のいずれにも財務省出身者が就かないのは
1985年に民営化してから初めて。
涌井氏は、脱税事件で摘発された石油卸商から
絵画を受け取ったことなどが問題になり、主計局長だった99年に退官。
日本損害保険協会副会長を経て2004年にJT会長に就任した。
(読売新聞)
0 コメント:
コメントを投稿